煤けた心の窓
- 遊笑 鉄線
- 2020年1月23日
- 読了時間: 2分
幼い頃に島崎さんはよく峯岸くんにピアノを聞かせてあげていた。ある日峯岸くんが『楽譜読めないのにどうやって弾いてるの?』と尋ねたところ、全て耳コピで弾いているらしいと知る。しかし島崎さん曰く『原曲を聞くと所々音が違う』とのことだったので聴いてみたら本当に違ってはいたが、峯岸くんは島崎さんの弾く音楽の方が好きだった。島崎さんは一応音を拾えるけど音楽の天才とかではないので、完全コピーはできない。でもそれっぽく仕上げることはできた。
ただ、数年が過ぎて将くんが産まれた頃ぐらいから島崎さんは情緒不安定になり、度々手首を切るようになる。実は統一郎に聴かせるためにピアノをひたすら練習していたので、その意味を失ってからは構って欲しいという欲がどんどん過激化して、自傷行為というものに辿り着いてしまった。
初めて手首を切った日、部屋で一人で血を流しているところを偶々出くわしてしまった峯岸くんが統一郎に報告し、手厚く治療をしてくれた。統一郎も内心ではとても焦っていたのかもしれない。それが島崎さんにとって、唯一統一郎に優しくしてもらえる瞬間であったので、それから味を占めてしまったのだ。
その後暫く経ち、手首を切るよりも成果を上げることの方が統一郎に見てもらえると悟った島崎さんは自傷行為をやめて、何やかんやあって今に至る。峯岸くんは島崎さんに「もう一度あの曲を弾いて欲しい」と頼むんだけど、島崎さんは「もう忘れてしまった」と言い、代わりにと聞いていたCDを渡してきた。
峯岸くんは島崎さんの弾く微妙に音程が外れているけれど、器用に補正された曲が好きだった。もう世界中の何処に行っても聴けないのだ。因みに島崎さんはあの日の自分を恥じているし、統一郎の家庭的な姿がトラウマでもあるから、弾きたくないと思ってる。
という統島前提の島崎さんと峯岸くんの過去を漫画に描きたかったけど全然描けないから忘れないうちに置いておく。
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