散りゆく花
- 遊笑 鉄線
- 2019年8月10日
- 読了時間: 2分
島崎さんは昔、統一郎に初めて噛まれた時からずっと愛咬を好んでいるという統島の話。
痕をつけても島崎さんは見ることはできないけど、噛み痕だったら傷の凹凸が点字みたいでなぞって認識できるし、何より痛みが走ると統一郎に付けてもらった日の事を明確的に思い出せるから。
本妻に絶対に勝つことのできない島崎さんが見つけ出した、たった1つの優位に立つ方法が"統一郎の破壊衝動の受け皿"になるということだったんだけど、実際には言うほど酷いことは(たまにするけど)してくれなくて、島崎さんは大いに悩んでいた。
統一郎に「遠慮しなくても、もっと暴力的に、支配してくれても構いませんよ」って島崎さんは言うけれど、統一郎は"島崎さんが暴力を望んでいるから"している感じ。
統一郎は好きな人に対して暴力を振るうという性癖は別に持っていないけど、人を傷付けるハードルがやたら低い(というイメージが私の中にある)。だから"強硬手段もやむなし"と決断するのが早いだけで、性行為中に相手を殴りたいわけではない。
でも島崎さんが手酷く扱われたがる理由が"自分だけの存在意義が欲しい"のだというのも分かっているから、そのために島崎さんを乱暴に抱く時がある。しかし、終わった後には涙が滲む目尻に優しく口付けを落とし、きつく抱きしめる。結局優しくしてしまう。
そんな時に統一郎が噛み痕を付けたら、島崎さんが凄く興奮したので、それ以来交わる度に愛咬をせがまれる。そのうちに統一郎は島崎さんに言われなくとも、自分から付けるようになった。
統一郎が島崎さんに噛み痕を残したのは暴力で支配する目的ではなくて本当に興奮したからで、それを島崎さんは"自分だけに向けられた嗜虐的な面"と受け取ってしまった。事実そうではあるけれど、島崎さんの考える統一郎の奥底にあるドロドロの暴力性ではなくて、彼の愛おしさの形がソレだった。
島崎さんに歯型をつけられるのは統一郎だけに許された特権であり、島崎さんが統一郎に対して示す唯一の忠誠心と言っても過言ではない。その傷がある限り、島崎さんは"統一郎だけのモノ"である証を得ることができる。
ただ、首絞めセッとかをすると支配欲や征服感を満たしたりは出来るけど、それでもやっぱり心の何処かには虚しさみたいなものがある。暴力を振るわれてではなく、愛しさを感じて笑う顔が見たいと統一郎は思っている。
統一郎に愛咬をねだる時の島崎さんは「貴方のモノである証明を、私に刻んでください」って言う。
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