愛に溺れる
- 遊笑 鉄線
- 2019年10月24日
- 読了時間: 2分
『島崎さんが自分を捨てて違う人と共に去ると言い出したので追いかけて、ふと気が付いたら殺してしまった後だった』という悪夢に魘されて飛び起きることが3ヶ月に一回くらいの頻度である統一郎の統島の話。
島崎さんを"自分だけのもの"にしない以上、もしかしたら痺れを切らせて出て行ってしまうのではないか?とよく考えるんだけど、何時も「そうなったとしたら手放す」という解答に統一郎は行き着く。が、彼の深層心理の中では常に「島崎のことだから、満たされることに慣れれば出て行ってしまう」という不安を抱えていて、それが悪夢として現れている。
島崎さんが大切で離れて欲しくないと思っているのもそうだけど、もしそうなった場合、自身の能力を抑えられる自信が(無自覚ながらも)彼にはない。隣に居るのが当たり前になるほどに島崎さんを深く愛しているからこそ、感情的になって衝動で殺してしまうのではないかと思っている。
もしかしたら、統一郎の方が島崎さん以上に依存しているのかもしれない。だから島崎さんが自分との関係のことで病んでいると何処かホッとするし、近付く男には普段より冷たい目をしているのかもしれない。そして、色々理由をつけて島崎さんに殺させる。
仲良くなった人の中には、近くのスーパーで棚にぶつかって商品を落としてしまい、困っている島崎さんを助けてくれた普通の店員とかもいた。初め統一郎から命令を受けた時に島崎さんは何の害もない人を殺すことに納得できなくて抗議をしたんだけど、結局無理矢理納得させられて抗えきれず殺してしまう。
仲良くなると殺す人が増え、情緒が不安定になって、より一層統一郎に没頭していく。島崎さんが縋ると言い知れぬ快感と安堵感で満たされる統一郎は、その度に島崎さんの心の空漠にベタベタの甘い愛を注ぎ、縛り付けて、仮初の安寧に胸を撫で下ろすを繰り返している。
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