Lampone Cioccolato
- 遊笑 鉄線
- 2022年7月7日
- 読了時間: 2分
更新日:2023年8月18日
生まれた時から運命の相手と赤い糸で結ばれている世界線に生きているマイちゃんの話。
たまに糸を引っ張ると力強く返してくれるから、どんなに大きくて強くて頼もしい奴なんだろうと子供の頃からずっと未だ見ぬ運命の相手に憧れながら育って、何人か好きな人が出来たけど皆別の人と結ばれているから、誰なんだろう?何時になったら迎えにきてくれるんだろう?とちょっと心配になったりして
沢山の失恋を繰り返した末についに よし!こっちから迎えに行って驚かせてやろう!と思ってワクワクドキドキしながら指の糸を辿って長い長い旅をするんだけど、その果てに辿り着いたのが何もない岬で、糸が崖の下に続いてるから恐る恐る下を見ると真下に落ちている大岩に結ばれていた。
初めから運命の相手なんて居なかったんだ、俺はこれからもずっと独りぼっちのままなんだと膝から崩れ落ちて、それから三日三晩そこで絶望に暮れていたけれど、ふと下の大岩が運命の相手なのなら受け止めてくれるはず、と結局崖から身投げする。大岩は確かに、骨が折れるほど力強く受け止めてくれた。
ちなみに岩が運命の相手なのでは無く、運命の相手は居たけど別の好きな人がいたから無理矢理千切って岩に結んで崖から落としただけ。引っ張ったら応えてくれてたのは、引かれた岩が上下したり、波に揺れてただけ。
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