忘れるまで、思い出して
- 遊笑 鉄線
- 2015年4月20日
- 読了時間: 2分
更新日:2022年8月15日
ぱっと見は人間なのに、肩甲骨から翼が生えていることから“地上に舞い降りた天使”と称され、飼い主のリンゴォさんに可愛がられていた鸚鵡くらいのサイズのモアさんをリンゴォさん亡き後に引き取り、翼を捥ぎ取って可愛い可愛いするアクセルみたいなアクモアの話。
どうやって翼を取ったかというと、体はそんなに大きくないので翼をボキッと手で折って、初め捻り切ろうとしたけど思った以上に取れないからハサミで切り落としたとかそんな感じです。
体感したことのない痛みと、翼を折られたショックと、まだ癒えていない飼い主の死に錯乱状態になるモアさんに「君は翼などなくとも十分天使だ」とアクセルは優しく微笑みながら言ってくれるのです。
アクセルは何処かに飛んで行ってしまうこと+リンゴォさんのことを大切に想うことに対する嫉妬で翼を手折ったのですが、そもそもモアさんはあまり飛べません。
そのまま彼の元で静かに息絶えてしまうのではないか、と思うくらい、モアさんは空っぽになってしまいました。しかしそのうち、アクセルはモアさんが魅せる幻想に落ちてしまいます。終わらない夢を何度も何度も何度も繰り返されて、気が付いたら夢と現の境目が曖昧になったアクセルがひたすら庭に自分の墓穴を掘って埋まるをずっとやってる。でも土に埋まろうが死にもしないし、眠ることもできない。
モアさんは勝手に“天使”と称されているだけなので、本当に天使なのか、鳥なのか、はたまた別の生物なのか、正体は誰にもわかりません。ただ一つ言えることは、人間などに容易く扱えるような存在でもなかったということです。翼をもぎ取った代償に、アクセルは永久的にあの世にいくことは出来きず、かといってこの世にさえも戻ってこれなくなりました。
アクセルもモアさんの翼を捥いだらまさかこうなるなんて予想もできなかったのでしょう。私も書いていてこんなオチになるとは思いませんでした。
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