山を覆う炎
- 遊笑 鉄線
- 2019年8月29日
- 読了時間: 2分
島崎さんは組織に入った頃から統一郎が好きで今も変わらずに想い続けているが、偶に自分自身が"影のような存在"に思えてしまって凄く寂しくなってしまう。
でも茨の道の先が絶望だったとしても、島崎さんは統一郎を諦める気は全くない。彼を追う足を止めるのは、自分が死ぬ時だけだと決めている。
統一郎にとっての島崎さんは何とも言えない存在で、愛してはいるんだけど、本人は絶対にそれを自覚したくないから深くは考えないようにしている。
妻子持ちの自分がそんなことを言うのは凄く無責任だし、好きだからこそ島崎さんを振り回すのが心苦しい。だから冷たくしているつもりなんだけど、長年に渡る付き合いの情や愛おしさから、つい優しくしてしまう。
本人は無自覚なので、島崎さんが嬉しさのあまり距離を縮めてきてやっと"優しくし過ぎてしまった"と認識する。で、距離を戻すために突き放す。統一郎の気まぐれな優しさが、島崎さんを離れなくしている原因でもある。
統一郎は「島崎がしつこく言い寄ってきているから相手をしてやっているだけ」だとよく自分に言い聞かせているんだけど、実際は誰かの元へ行こうとすると驚くほど嫉妬する。
でも誰にも悟られないように無表情を貫くから、みんなは知らないし、島崎さんも彼が何時どんなタイミングで嫉妬するのかは分かっていない。ただ、何となく今日は機嫌が悪いのかな?というのは感じる。
島崎さんを引き止めたい時は、後ろから抱きしめて「亮」と呼ぶ。それ以上のことは何も言わない。そうすると島崎さんは「狡い人」って言いながらも、一日中統一郎の側に居てくれる。
あと二人きりの時はお互いを名前で呼ぶ。島崎さんは統一郎の落ち着いた声を気に入っていているんだけど、特に名前で呼ぶ時の何時もよりずっと優しい声が一番好き。
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