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人間到る処青山有り

  • 遊笑 鉄線
  • 2020年3月18日
  • 読了時間: 1分

島崎さんに光の世界を体験させるのは個人的に残酷すぎてアレなので、逆に統一郎に光のない世界を体験させたい。


島崎さんの記憶が創った世界へ統一郎が迷い込んでしまうんだけど、島崎さんの記憶だから当然真っ暗で、しかもほんの少し寒い。冷たい水が心を満たすような不安や孤独を感じていた頃に、ポツリポツリと柔らかい温かい光が偶に点滅するようになる。


その光はとても暖かくて、心地よい。統一郎は手を伸ばすのだけれど、光の瞬きは刹那なので少し触れただけですぐ消えてしまう。


実はそれは統一郎が島崎さんのことを"亮"と呼ぶ声の概念的なものという。統一郎が島崎さんの幼少期を追体験することで"自分が彼にとって以下に大切な存在か"というのを知る。知ったからと言って関係が変わるなんてことは無いんだけど、やんちゃな口を聞いても少しは許せるようになった。


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