どこにも逃しはしない

個人的に巻島くんはモアさんと同じ不幸の匂いがします。どんなことをしても決して幸福にはなれないような気がするのです。

とりあえず言えることは泣くことも逃れることも許されない残酷な箱庭の中でじわじわと真実に嬲られ死んで逝くといった感じの可哀想可愛い巻島くんが好きです。

私がとんだ夢見がち腐女子なのはよくわかっています。でも少なくとも私の中では巻島くんは甘い毒の海に溺れて泡になって消えてしまう人魚姫とかだし、モアさんも霞が晴れると消えてしまう儚い雨の精霊なのです。どっちも下がり眉なのが悪いのだと思います。

巻島くんは“手に届くところには毒性の強い食べ物しかないので、生きるために少しずつ無理して食べている”みたいな感じですかね。巻島くんを取り巻く環境の全てが無意識のうちに彼を傷付けるのです。その小さな傷一つ一つが毒のようにじわじわと心を蝕み、最終的には死へと誘うという。

モアさんは『生まれ落ちる＝贖罪の始まり』みたいなものなので、彼の人生には過酷なものしか用意されていません。白く美しい裸足は茨の道のせいで赤黒く濡れ、熱を発する痛みに気がおかしくなりながらも立ち止まることは許されないのです。そんな感じ。

CPに飢えるということもまあありますが、今の私には圧倒的に可哀想可愛いがたりません。当て馬化とか苦手な方が多いらしいですが私はすっごい大好きです、あれ本当に萌えます。当て馬巻島くんとか可愛すぎる…。