いつか見た春の都
- 遊笑 鉄線
- 2021年9月22日
- 読了時間: 2分
幼い頃に初めて見た蘭ちゃんの笑顔に一目惚れしてしまう竜胆くん。でも兄弟間で恋愛とか普通に気持ち悪がられることは間違いないし、何より蘭ちゃんは恋愛以前に感情自体が希薄なので、死ぬまでずっと胸の内にしまいながらも蘭ちゃんの側で守り続ける人間になろうと竜胆くんは誓った。
蘭ちゃんは成長するにつれて竜胆くんとは行動を別にする機会が増えたが、普段は一緒にいるから気にしないようにしていた。 ある日、偶々家に早く帰った時に知らない男性と蘭ちゃんが寝ているところに遭遇してしまう。竜胆くんはどんな関係なのか蘭ちゃんに問うたが、蘭ちゃんはサラリと"彼氏"だと答えた。
竜胆くんは愛している蘭ちゃんが他の男とまぐあっていることにもショックを受けたが、何よりも"好きという気持ちを目覚めさせたのが自分ではない現実"に心底打ちのめされた。ずっと片想いをしてきたのに、ずっと側にいたのに、何も伝わらなかった。竜胆くんは自室で一晩中泣いて、疲れて、そのうち寝てしまった。
蘭ちゃんはそんな弟を愛おしく思っていた。昔から彼が見つめてくる瞳に"兄弟間の繋がり"以上の熱く籠った想いがあるのを知っていたが、なかったことにしようとする竜胆くんを許せなかった。だからこうして傷付けることで、竜胆くんが蘭ちゃんの存在の大きさに気付かされる瞬間が大好きだった。
好きでもない男に平気で抱かれるし、すぐ取っ替え引っ替えするし、兄弟喧嘩も絶対に手を抜かない。気絶するまでボコボコにする。そうすることによって竜胆くんの中に少しずつ"灰谷蘭から逃げられない呪い"を込めていく。事実、竜胆くんは常に蘭ちゃんのことを考え、側から離れられなくなった。
ただ、どんどん慣れてはくるので、竜胆くんは大人になってハニトラ暗殺する蘭ちゃんの手伝い+後片付け担当になった。そんな弟を「可愛くない」と言いつつも、また違った方法で虐めてくる。蘭ちゃんは無感情サディストだけど、竜胆くんは無感情のように見えてちゃんと色々考えてるし、マゾでもない。でも虐めてくる蘭ちゃんのことが病的なまでに好き。
Kommentare