罪悪の形
- 遊笑 鉄線
- 2021年2月13日
- 読了時間: 5分
今日は甚五♀の同人誌を描くならどんな話にしようかな?と考えてた。
土砂降りの雨の日に死んだと思われていた甚爾さんが路地裏で落ちている(?)のを偶々見つけた五条さんが連れ帰って、そのまま寄生されてる設定。
題名は 罪悪の形
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【この話の甚五のマイ設定】
五条さんに拾われた時の甚爾さんは意識が無くて、甲斐甲斐しくお世話してくれた結果回復→なんやかんやでそのまま居座ってる
路地裏で倒れていた理由は不明。甚爾さんも意識が戻るまでは死んだものかと思っていた
甚爾さんは五条さんの初恋の人だけど、五条さんは覚えてはいない(それっぽいような?とは思ってる)
健康体になって帰ってきた五条さんだが偶に魚みたいな冷たく鈍い目をしてる時がある。呼ぶとすぐに戻る
勾玉にはちゃんと名前がある
五条さんと小さかった頃の話をしようとすると割と本気で静かな声で怒られる。思い出したくないことがあるらしい
"お互いの事情に深く踏み込まない"というのが暗黙のルールとしてある
けど、どちらかというと五条さんの方が甚爾さんより圧倒的に隠し事が多い
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近頃五条さんが1日帰ってこない日が何回かあり、他に好きな人でも出来たのかとモヤっとしたが、甚爾さんは特に五条さんを問い詰めることはしなかった。でも明らかに具合が悪そうな日もあって、それだけはさりげなく声をかけたけれど「関係ない」と珍しく突き放されてしまう。
体調が悪い日が多くて機嫌が悪いのは分かるけど、それでも我慢の限界がきてついに口喧嘩に発展する。ヒモである甚爾さんの方がダントツ立場が弱いので当然言い負かされて、今までの積もった不満+勢いで思わず手が出てしまうんだけど、この家に来て初めて無下限でふっとばされる。
今まで喧嘩はしてもお互いに暴力にまではいかなかった(昔一度殺し合いしたし、それに行く前にどちらかが折れていた)からどちらも非常に驚いて暫く沈黙が流れるんだけど、先にハッとした五条さんが家を飛び出す。甚爾さんも気まずいし、家にいたくなくて次の日には家を出る。
一週間程経って流石にそろそろ熱りも冷めただろうと家に戻ったけど、一回家に戻った形跡はあるもののやっぱり帰ってなくて、怒りが一瞬出たけど、それよりも”一体何を考えているのか”という疑念が湧き上がった。連絡もないし置き手紙もないから、今どこで何をしているのかも分からない。
ちなみに家を出ている間は手持ちの金がギリギリだったから祈る気持ちで生活費が入っている口座を確認したら、何時もより多めに入っていた。パーっと使ってしまいたい気もしたけど、多めに入っているってことは”暫くは帰らない”って意思表示か?と考えて慎ましやかな生活を送ることにする。
彼は認めたくは無いけど五条さんのことを気に入っていて、五条さんが甚爾さんのことを好いているのが丸分かりだった(本人は隠しているつもりらしい)からいつの間にか情も出来て、だから帰ってきた時にちょっとは機嫌を良くして欲しくて、らしくないと思いつつもずっと家事をしながら待っている。
そこから更に一週間経って、やっと五条さんが帰ってきた。どこで何をしていたかという質問を、真剣な顔をしても、押さえつけても、何時も通り飄々と適当にはぐらかして、ヘラヘラ笑って答えてはくれない。甚爾さんは想っていた分裏切られたような気がして腹が立ってくる。
でも、帰る前までの険悪な雰囲気がまるで嘘のように五条さんがハイテンションで家事やありとあらゆるところを褒めてくれるから、最初はイライラしていた甚爾さんも(無事なら良いか)と段々どうでも良くなって、最終的になあなあのまま流れていった。
それから五条さんが体調が悪くなることもなくなり、久々の平和な日常を目一杯満喫した。勿論ギャンブルのための資金をせびると嫌な顔はするけど、何となく以前よりは財布の紐が緩くなった気がする。優しくなったというよりは、"細かいことに目を向けなくなった"という感覚が近い。
確かに違和感は感じるんだけど、最近機嫌もいいし、何より甚爾さんはそういう面倒なことにあまり首を突っ込まない主義なので、気持ち悪いけど楽に金が手に入るのはラッキーという気でいた。
ある夜、目が覚めると五条さんがいない。静かな部屋で耳を澄ますと、洗面台の方から話し声がする。こんな夜深に電話か?と不審に思い足音を立てずに近付くと、聞き覚えのない歌が耳に入ってきた。五条さんは水が溜まった洗面台を覗き込みながら、何とも言えない童歌のようなメロディを奏でている。
流石に不気味だったので、「おい」と声を掛ける。五条さんは驚いて振り返ると、甚爾さんに向かって人差し指を自分の口に当てながら「しっ」と言った。どういうことかサッパリ分からず、彼も洗面台を覗く。しかし、そこには蛇口から漏れた水がただ溜まっていただけだった。
呪霊か何かを疑ったが、そもそも何のために歌っていたのか?何の歌なのか?「しっ」と言葉を発した後、何故か虚な顔をした五条さんの肩を持って揺するが何も反応しない。とりあえず椅子に座らせて回復を待ったが、意識が戻った後は何も覚えていないようで、なにを聞いてもただ困惑するだけだった。
とりあえず呪の類のものはないことを一通り確認し、再び床に着く。窓の外はすでに白んでおり、先刻の不気味な様子も相まって甚爾さんは中々寝付けなかった。その隣ですうすうと眠る五条さんの髪を優しく撫でる。口には出さないが、内心は五条さんのことがとても気がかりだった。
ふと、胸元に何かの紐が見える。スッと紐を引き上げると、勾玉のネックレスをしていた。今まで身につけているところを見たこともなかったし、勿論自分もあげた記憶はない。嫉妬の炎が燃え上がりそうになった時、服の中に入った冷たい感覚が背筋を撫で、そのまま身中を駆けめぐるような感覚に襲われる。
もう少しで意識の中にまで入ってきそうだった"気付いてはいけないナニカ"を振り払う為に、急いで窓辺まで行ってカーテンと窓を開けた。朝の明るい光と冷たい空気が身体を包む。朝霧が立ち込める望遠を眺め、胸の警鐘と睫毛の乱反射が引くのを待った。
考えすぎだ、何も考えるな、と自分に言い聞かせるようにポツリと呟く。きっと何を聞いても、何一つ確信に触れさせてはくれないだろうというのは分かっていた。それが例え悪夢となって残りの人生を永遠と苛もうとも、その罪と隣り合わせで生きていく覚悟を、彼女の中で見たから。
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