冷たい指
- 遊笑 鉄線
- 2014年11月5日
- 読了時間: 2分
更新日:2022年8月15日
寒いと指先が悴んで冷たくなるじゃないですか、あれたまらなく好きなんですよね。
例えば相手の頬にそっと手を添えて笑っても、まるで生きている気がしないんですよ。そこで確実に生きているはずなのに。手が冷たいって神秘的です。
巻島くんの指がある夏を境に冷たくなっていたという話とかあったら素敵ですね。
茹だるような気温の中、彼の指先は氷のように冷たいんです。まあ要は既に死んでいるんですけどね。本人も周りの人も誰一人そんなことに気付いていません。
恐らく何処かにぶら下がっているであろう屍体を見つけ出さない限りは、誰も巻島くんが死んでしまったことが分からないのでしょう。ただ、誰も巻島くんに特別興味なんて抱いていないので「体温低いのかな?」程度にしか思っていないし、深くツッコミもしない。みんな自分の事情に忙しいのです。
何故本人も気付かないのかというと、自殺した日に死因と自殺に至った要因全てを屍体と共に置いてきてしまったんだと思います。
一応「死しても尚呪ってやる彼奴らが憎い憎い憎い…」と考えながら死んだんですけど、意志だけ残っても経緯と記憶を忘れたのでは復讐のしようがなかったみたいです。巻島くんは大変なドジっ子だったようですね。
でもよく考えると屍体を見つける=彼の死んだ意味と死した事実を認識し始めるということになるので、やっぱり探さないほうが総北高校の平和のためですね。だから今日もきっと人知れぬ何処かの深い森の中で巻島くん(の首)が糸に繋がれ宙ぶらりんなのかもしれません。…スパイダーなだけに。
ところで巻島くんもクライマーなので山で首吊るときも上の方を選ぶんですかね?自転車でわざわざ上の方まで登り、スタンドないのでそこらへんに放置して奥入っていって適当な木の下でロープを用意すると、そんな感じでしょうか。
普通なら登っている途中で嫌になるだろうに登ってしまうのは悲しい性ですね。 「駅で飛び入り自殺する際に幾らの切符を買うのか」という哲学に通づるものがある気がします。
因みにクライマーが上の方と考えるなら、オールラウンダーの荒北くんは山のどの辺で首を吊るんでしょうね。面倒だから下の方なのか、見つかりにくそうな中間なのか、それとも同じ上の方なのか。
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