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東の野

  • 遊笑 鉄線
  • 2019年7月30日
  • 読了時間: 1分

島崎さんは人や物の詳細がどの程度感知出来ているのか分からないけど、私は"物も人もぼんやりと塊があるのが分かる"くらいだと思ってる。見えてるわけではない。 だから島崎さんは自分の好きな人がどんな顔をしていて、どんな色をしてるかも知らない。 統島だったら、初めは統一郎の顔を指先でゆっくり丁寧に這わせて"歳にしては案外シワが少ない云々"とか笑っていたけれど、指が唇にまで来たら途端に口を閉じて、キスをねだるように何度も何度も親指でなぞる。 島崎さんは好きな色については赤色だって言ってて、周りは「まあインナー赤だしな」って思ってるんだけど、実際は「あの人の髪の色は赤で、私の身に着けている色も赤だって聞きました。共通点だから好きです」って答えてて「えぇ…」ってなるやつ。

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