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月の涙

  • 遊笑 鉄線
  • 2021年4月17日
  • 読了時間: 1分

更新日:2022年9月8日

貝の義勇さんと宇髄くんの話


宇髄くんにゴツゴツした石の塊を殻の中に無理やり詰め込まれて、あまりの苦痛にいつも泣いてる義勇さん。だけど毎日心配そうに宇髄くんが声をかけてくれるので段々好きになり、『明日も会いたい』と願いながら生きてる。因みに一緒にいた友達は、気がついた頃にはいつの間にかいなくなってた。


痛くて痛くて水の中でただ静かに泣いている義勇さんだけど、宇髄くんが来てくれた時だけ貝を少し開けて姿を見てる。そうすることで苦痛が一時的に和らいで、泣き止むから。彼が立ち去るとまた痛くなって、貝を閉じて泣き始める。そんな日々の繰り返し。


死ぬほど痛かった塊も最近なんだか痛くなってきたような?と思い始めた頃、触るとスベスベと丸みを帯びている事に気がつく。義勇さんはそれを宇髄くんへの想いが積もってできた"愛の形"だと信じて、いつも触っていた。触っている間はとても幸せだった。


ある日、綺麗になった塊(真珠)を宇髄くんに見て欲しくなり、貝を限界まで開けて見せてあげた。それを見た宇髄くんは微笑んでくれて、義勇さんは「喜んでくれてる、ああ見せて良かったな、幸せだな」って初めて笑うんだけど、そこから先の記憶はミキサー音以外なにもない。


真珠はそこそこの値で売れた。

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